今日は、都内から電車で約1時間のベッドタウンに来ています。
小田急線に揺られて約40分。ここまで来ると、都心の喧騒とは違い、のどかな雰囲気が広がっています。

こうした郊外の住宅地は、かつて多くの人が 「夢のマイホーム」 を求めて移り住んだエリアです。
しかし、現在は 高齢化と人口減少 が進み、街の維持が大きな課題となっています。


1. 団塊世代が作り上げた「郊外のマイホーム文化」

戦後の高度経済成長期、地方から東京へ 「金の卵」 として集団就職した世代が、
東京の郊外に マイホームを持つこと を夢見て住宅を購入しました。

特に 団塊世代(1947〜1949年生まれ)の人口母数は非常に多く、
現在はすでに 70代 に突入しています。

彼らが移り住んだ 郊外のベッドタウン では、
今後10年以内に急激な人口減少が予測されています。

こうしたエリアは、もともと ファミリー向け に開発されたため、
・戸建てが中心
・広い庭付きの住宅
・都心から電車で1時間圏内

といった特徴を持ちますが、今の 若い世代のニーズとは合わなくなりつつある のが現状です。


2. 若者世代の価値観と「郊外離れ」

現代の若者は、どちらかと言えば
家は狭くてもいいから、都心の利便性を優先したい
長時間の通勤は避けたい
核家族化・単身世帯が増えているため、大きな家は不要

こうした傾向が強く、郊外の庭付き一戸建てへの憧れは薄れています

一方で、こうした 「不要」とされる不動産」 にこそ、
新たなチャンスがあると筆者は考えています。


3. 外国人投資家による「郊外の再活用」

実は、こうした 郊外の戸建て中国人をはじめとする外国人投資家にとって、非常に魅力的な物件 になり得ます。

📌 コロナ前、中国人投資家から「郊外の格安戸建てを購入したい」という相談が増えていた
📌 埼玉・千葉のベッドタウンの一戸建てに興味を持つ外国人が多かった
📌 日本の不動産は、所有権の制限がないため、自由に購入できる

特に 50万元(約1000万円)〜100万元(約2000万円) の物件は、
「試しに買ってみる」 という感覚で購入する中国人投資家も少なくありません。


4. 「郊外×リフォーム」や「温泉×限界集落」の可能性

現在、日本の地方では 「空き家問題」 が深刻化しています。
特に 温泉地やリゾート地 では、
「限界集落」になりつつあるエリアの再活用
外国人向けのリゾートハウス・セカンドハウス需要
低コストで「日本の田舎暮らし」を楽しめる物件

といった視点で、「再生可能な不動産」 が注目される可能性があります。

もし、日本人が 不要と感じる物件 であっても、
外国人投資家の視点では「魅力的な資産」になり得る のです。


5. 不動産ビジネスの本質 〜空間価値の創造〜

筆者が不動産業に関わって思うことは、
不動産とは、すべての空間に価値をつけられるビジネス だということです。

都心は利便性を売る
郊外は住環境と広さを売る
地方は自然やリゾート要素を売る

このように、どんな空間でも 「価値をどう見出すか」 によって、
不動産としての魅力が大きく変わります。

未来では、
📌 地球上のすべての空間が資産として取引される
📌 そして、宇宙空間までもが「不動産」として取引される時代が来るかもしれない

そんなことを考えながら、
今日も郊外の街を歩き、不動産の可能性を探っています。


【まとめ】郊外不動産の新たな可能性

団塊世代が購入した郊外の戸建ては、今後10年以内に大量に売りに出される
若者世代は「狭くても都心」が好まれるため、郊外戸建ての需要が減少
一方で、中国人投資家を中心に「郊外の格安戸建て」に興味を持つ層もいる
特に温泉地やリゾート地の空き家は、再活用のチャンスがある
不動産は「空間価値をどう作るか?」が最も重要

今後、郊外の不動産価値を 「日本人の視点」ではなく「外国人投資家の視点」で見ていく ことで、
新たなビジネスチャンスが生まれるかもしれません。

郊外の空間価値をどう活用するか?
これからの不動産業界の大きな課題とチャンスになりそうです。

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